2026年9月6日付けの日本経済新聞アジア版が報じたところによると、日本電気(NEC)が量子コンピューターの開発事業から撤退する方針を固めました。NECはこれまで、スーパーコンピューターのノウハウを活かして、超電導方式の量子コンピューター開発に取り組んでいましたが、商業化への道のりが不透明であると判断し、事業の再編を進めることになったとのことです。

この動きは、世界的な量子コンピューター開発競争が激化する中で、各国や各企業が戦略の見直しを進めている現状を映し出しています。IBMやGoogleといった海外の巨大IT企業が開発を主導し、大規模な投資を行っているのに対し、NECは限られたリソースの中で独自の技術開発を進めていました。しかし、実用化にはまだ数十年かかるとの見方もあり、短期的な収益が見込みにくい状況が撤退の背景にあると推測されています。

NECは今後、量子コンピューターのハードウェア開発から撤退する一方で、量子技術を活用したソフトウェアやサービスの開発、ならびに他の先端技術分野への投資に注力する方針です。特に、量子コンピューターの課題解決能力を応用した新素材開発や創薬分野などでのソフトウェア提供を目指すとされています。これにより、同社は強みを持つ情報通信技術分野での競争力を維持・強化していく考えです。

今回のNECの決定は、日本のテクノロジー産業における量子コンピューター戦略に大きな影響を与える可能性があります。他の日本の研究機関や企業が今後どのような戦略をとるのか、その動向が注目されます。