2026年10月15日付で報じられたところによると、アメリカの歴史的建造物保護法が現在、その60年の歴史の中で最も深刻な脅威に直面しています。議会と連邦機関が同法の弱体化を試みており、これにより広範な反発が生じています。批評家たちは、この反発は60年前に同法が制定されるきっかけとなった動きと同じくらい激しいと指摘しています。
この法律は「国家歴史保存法(National Historic Preservation Act、NHPA)」として知られ、1966年10月15日にリンドン・B・ジョンソン大統領によって署名され成立しました。これにより、国内の歴史的な場所を特定し保護する仕組みが構築されました。現在、10万以上の歴史的建造物が公式な「国家歴史登録財(National Register of Historic Places)」に登録されています。
NHPAの重要な要素の一つが「セクション106審査」です。これは、連邦機関が歴史的資源に潜在的な影響を及ぼす可能性のあるプロジェクトを開始する前に、州、部族、その他の関係者と協議することを義務付けるものです。エール大学建築・都市研究の教授であるエリフ・ルービン氏は、「セクション106は、国家歴史保存法の裏にある牙だ」と述べています。これにより、歴史的建造物の取り壊しが阻止され、考古学的遺跡での開発が防止されてきた例が数多くあります。
しかし、過去1年半にわたり、連邦政府はこの責任を放棄しようとしていると、非営利団体「ナショナル・トラスト・フォー・ヒストリック・プリザベーション(National Trust for Historic Preservation)」のCEOであるブレント・レッグス氏はNPRに語っています。具体的な変更案の詳細は現時点では公表されていませんが、この動きに対して歴史的保存を求める団体や市民から強い懸念の声が上がっています。例えば、グランドキャニオンやアーリントン記念橋などの歴史的価値の高い場所が、新たな法案の下で保護を失う可能性があると報じられています。